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コラム

おすすめの本:凍りのくじら

第27回目のおすすめの本を紹介していただくのはエンジニアのNAさんです(入社5年目)

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『凍りのくじら』(著:辻村深月さん)をお勧めします。

この物語の各章には、漫画のドラえもんに出てくる” ひみつ道具”の名称が割り当てられています。
中学生くらいまでアニメのドラえもんを観ていたので、なんか惹かれるものを感じてこの本を読み始めた気がします。

“SF”という言葉、多くの人は
“サイエンス・フィクション”と連想する人が多いと思います。

ドラえもんの作者である、藤子(F)不二雄さんは、
“SF”という言葉を、”すこし・ふしぎ”と表しているとのことです。

このお話の主人公である女子高校生は、
父親が失踪し、母親が余命宣告を受けていて入院している状況もあり、
友人・恋人・家族などに対して、すこし達観しているというか、冷めた態度で関わっています。
友人や自分に関わりがある人に対して、”すこし・○○”というラベルのようなものをつけて表すようになります。
そのラベリングも、すこしおもしろいと思っています。

日常に起こる出来事から物語が進展していくのですが、(元)恋人が引き起こす事件により、大きく話が動き出し、
最後に主人公が体感する”すこし・ふしぎ”な出来事により、ここまでも一気に読み進めることが出来ましたが、
そのスピードを加速することが出来て、あっという間にエピローグまで突き進むことが出来ました。

日常の生活をしている中で、”ふつう”はこういう事だろうとか、”ふつう”って周りの人と共有できている気になってしまうのですが、
自分の日常でできている出来事から構成される”ふつう”は、当然のように人により異なるので、
“ふつう”って意外と周りの人と共有が難しいことなんだなーと改めて感じる事が出来ました。