COLUMN

コラム

おすすめの本:学びとは何か――〈探究人〉になるために

第28回目のおすすめの本を紹介していただくのはエンジニアのKSさんです(入社3年目)

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エンジニアで中国語学習者のKSです。
私は普段、参考書や技術書以外の本はほとんど読みません。最近読んだ本と言えば今回紹介する本くらいです。

「学びとは何か――〈探究人〉になるために」(岩波新書・著:今井むつみ)

この本をおすすめしたい対象の方は「勉強が好きな人」や「何かの学習に取り組みたいと考えている人」です。著者が言語発達の専門の学者であるため、私のような言語学習者には特に適した本かもしれません。

なぜこの本を読んだかと言うと、読書家の祖母が私にくれた本だったからです。

私はタイトルからなんとなく自己啓発の類の本なのかと思っていましたが、そうではありません。この本は学習をテーマに、ヒトが知識を身に着けるメカニズムや知識の熟達について、認知言語学や脳科学的な見方に触れながら解説されている本です。

この本の中では、単純に記憶されただけの知識ではなく使うべき場面で活用できる状態の知識を「生きた知識」と呼んでいます。この「生きた知識」の会得にフォーカスがあたっています。

語調は固めで評論文よりですので、物語のような話を読みたい人にはおすすめできないかもしれません。

この本を通して、どうやったら効率的に学習できるのか深く考え直すことができます。より効率的に「生きた知識」の習得を実践できるかもしれません。文庫本なので価格も800円とお手頃です。興味の沸いた方は手に取ってみてはどうでしょうか。