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コラム

おすすめの本:生物はなぜ死ぬのか

第24回目のおすすめの本を紹介していただくのはエンジニアのHYさんです(入社3年目)

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私が紹介するのは「生物はなぜ死ぬのか 著者:小林武彦」です。

ヤフーニュースで見つけて表紙に惹かれて読んでみました。
小林武彦さんは東京大学で教授をされている生物学者です。生物学から見る死の理由について、進化の歴史からまとめられています。

個人的に一番印象に残った文章は
「地球上に生命が生まれる確率は25mプールに分解した腕時計の部品を沈めて、かき混ぜているうちに腕時計が組みあがり、しかも動き出す確率」だそうです。
奇跡すぎて笑えました。

本書の中では「変化と選択」という文が強調されています。
一見意味が分からない生物の習性について、これで私も理解できました。
例では「うなぎ」が説明されています。
うなぎはマリアナ諸島の深海で産卵し、生まれた子供は海流にのり日本まできます。
なぜマリアナまで行くのか謎ですが、これは結果だけを見ているからのようです。
過去にはさまざまな場所で産卵するうなぎが存在していたが
近くで産卵する種は捕食者に食べられやすいなどの要因により絶滅してしまい
たまたま、遠くで産卵する種が生き残って現在も生存していると小林さんは説いています。その過程の中でより遠くに産卵する変化があり、マリアナの深海まで行ってしまったという説です。

多種多様な生物が変化を重ねてきた結果、絶滅と生き延びた種に分かれた(選択)されたと考えられます。
うなぎの例にもありますが、現在のうなぎが生き残っているのは他の種の絶滅があったからこそです。
生き残る可能性を高くするために生物は多様化し、より環境に適応した種が生存します。
それは人間も同じで、子供の方が親より多様性(遺伝的観点からも)があり生き残る可能性が高く、生き物としての価値は高いと判断できます(詳細な理由も記述がありますが割愛) 生物はより進化(多様化)した次世代のために死ななければならないと本書はまとめています。

その他にも老化の仕組み(死ぬことがプログラムされている)や
宇宙の始まりをTMT望遠鏡で覗く話など、おもしろい話題もいくつかありました。
老化の仕組みの方が死に直結する直接的な理由でしょうか。
興味がある方は一度読んでみてください!