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コラム

おすすめ本:嫌われる勇気

第39回目のおすすめの本を紹介していただくのはエンジニアのIAさんです(入社1年目)

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私のオススメ本は、岸見一郎さんの「嫌われる勇気」です。
こちら2013年に発行されベストセラーとなっていたので、ご存知の方も多いかと思います。

まず前提として、私は所謂自己啓発本というものがあまり得意ではありませんでした。
・・・理由
「〇〇したから大成功した、うまくいった、△△したetc…..」
成功は〇〇のおかげなんじゃなくて、成功者がたまたま〇〇していただけじゃないのか?
という風に否定的に受け止めてしまう癖があるからです・・・

そんな私でしたが、数年前に人間関係の縺れ?で悩み抜いておかしくなってしまったとき、「嫌われる勇気」に出会いました。
当時、他人に嫌われることをとにかく恐れていた私にとって、このタイトルにはかなりの衝撃を受けたことを今でも覚えています。
藁にもすがるような思いで手に取りました。

【内容】
青年と哲人との対話形式です。
「世界はどこまでもシンプルであり、人は今からでも幸せになれる」と説く哲人のもとに、
「そんなことがあってたまるか」と論破すべく、自分の全てに自信が無い劣等感の塊のような青年が出向きます。
哲人が説くのは「アドラー心理学」
アドラー心理学は、全ての人間が即実行していくにはハードルがかなり高い(刺激が強い)ものであり、
最初はその内容に拒否反応を示す青年でしたが、哲人との対話を重ねることによって青年が新しい自分へと生まれ変わっていくというものです。

アドラー心理学に依ると・・・
人の悩みは全て、対人関係に起因しています。
仮に宇宙空間で誰とも関わりを持つことなく一人で生きることができるのならば、全ての悩みは無くなります。
しかしそんなことは誰もできません。

他者と縦の関係をもつことで誰かと比較して劣等感を持ったり、逆に優位に立とうとしていてはダメです。
また、他者の期待を満たすために生きてもいけません。
他者の評価や目線ばかり気にしていると、本当のわたしを隠して生きることになります。(承認欲求を否定している。)

ではどうすればいいのでしょう。
それは横の関係、つまり他者を仲間とみなす共同体感覚を持つことが重要です。
前を歩く者も居れば後ろを歩く者も居ます。そこに優位性はありません。
競争することなく、確実にただ前を見て自分を生きていくことが大事です。

例えば何かの選択を迫られたとき、これは誰の課題なのか?ということをまず考えます。
この選択に依って最終的に責任を負うのは誰なのかを明らかにするということです。
そして他人の課題に自分は介入することなく、また自分の課題に他人を介入させないことが大切です。

10人の人が居れば、
1人は・・・あなたが何をしても批判し嫌ってきます。そしてあなたも好きになることができません。
2人は・・・互いに全てを受け入れる親友のような関係になることができます。
7人は・・・どちらでもない関係になります。
この中であなたは誰にフォーカスをあてて生きていくか?ということです。
あなたが他人をどう思うかは自分の課題ですが、他人があなたをどう思うかは介入しようのない他者の課題です。

他人の事ばかり気にして他人の為の人生を歩んでいったら、一体誰があなたの為の人生を歩いてくれるのでしょう?

【最後に】
私はこの本に出会ってからアドラー心理学に大変興味が沸き、いろいろな書籍を読み漁ったりしました。
正直なところ内容が複雑すぎて、↑でうまく纏めることができませんでしたが、
今回は自分の中で最も参考にして生きたいと思った部分に着目して、さわりの部分だけ紹介させていただきました。

アドラー心理学は、内容を誤解してしまうと「人生の劇薬」になると表現されているくらい、難しいものだと思います。
私はアドラー心理学の全てを理解して実行できているわけではありませんが、この本のおかげで人とのコミュニケーションの取り方に大きな良い変化を与えてくれたと思っています。

こちらの本には続編の「幸せになる勇気」も出版されておりますので、興味のある方は是非手に取ってみてください!