COLUMN

コラム

文字のお話

第14回目のコラムはエンジニアのKMさんです(入社3年目)

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最近はコロナ禍で中断しているのですが、上野にある東京国立博物館(トーハク)を見学するのが、私の趣味の1つでした。毎年、年間パスポートを購入し、特別展が催されるたびに足を運んでいました。
博物館の展示物は多種多様です。仏像、絵画、武器、食器、装飾品、等々、挙げればキリがありません。どれも面白いのですが、中でも私のお気に入りは、古筆や古文書、絵巻物などの、文字の書かれた作品です。他の見学者が少ないときは展示物の前に長時間居座って眺めています。
今回のコラムではこうした作品の魅力をお伝えしたいと思います。(タイトルから、我々が日々悩まされている文字コードの話かと想像された方、申し訳ありません。全く関係ありません)

・古筆
wikipediaによると、古筆とは「平安時代から鎌倉時代にかけて書かれた和様の名筆」です。
古筆の魅力は、その美しさです。美しい紙に美しい文字が書かれています。
写真(1枚目)は、トーハクなどのお土産ショップで購入した絵葉書です(厳密には古筆に含まれないものもあるかもしれませんが)

・「くずし字」を読みたい
ところで、古筆に限らず、昔の文字は多くの場合「くずし字」と呼ばれるニョロニョロした文字で書かれているため、知識がないとまず読めません。私も当初は全く読めませんでした。
でも読めたらきっと楽しいだろうなと思いました。もちろん本格的に勉強するのが王道ですが、それは大変なので、例えば、脇にある解説を読むと、内容が活字で書かれていることがあり、それと照らし合わせると、何となく「この文字がこれかな」と読めるような気がしてきます。あるいは、断片的に読める部分からググると、おそらくこれかなというものがヒットすることがあり、それと見比べる方法もあります。あたかも暗号を解読しているようで楽しくなってきます。

・変体仮名をご存知ですか?
特に仮名はバリエーションが少ないので漢字と比べて読みやすいと思います。ただ、仮名にはひとつ落とし穴(?)があります。昔の仮名には「変体仮名」という現代では使われていない仮名があります。例えば「か」の字母は「加」ですが、他にも「可」を字母とする仮名(変体仮名)があり、実はそちらの方がよく見かけます。
ちなみに最近はアプリを使って手軽に読めるようですが、博物館の展示物は撮影禁止の場合があるのでご注意を。

・古文書
wikipediaによると、古筆とは「歴史認識のための材料あるいは歴史叙述の根拠となる歴史資料(史料)のうちの文献史料の一種」です。
具体的には、例えば、幕府が特定の人に対して所領を安堵したり、何かを命令するときに発給される文書のことで、その書き方に一定のルールがあります。
古文書の魅力は、歴史に触れられることです。
私は日本史が好きなので、古文書が読めたらいいなと思っていましたが、10年程前にある大学で開催している一般向けの講座の中に古文書を学ぶ講座を見つけ、受講してみました。
その講座は、東京大学史料編纂所に勤めている先生が講師で、毎回実際の古文書のコピーが配布されて1文字ずつ解読していく形式でした。
この数回の受講で多少知識は増えたものの、では実際にすらすら読めるようになったかと言うとそういうわけではありません。そんなに甘くはありませんでした。結局くずし字を覚えないと古文書も読めません。頑張ります。。
写真(2枚目)はその講座で配布された古文書のコピーで、写真(3枚目)はその講座のために中古で購入した辞書です。

・絵巻物
wikipediaによると、絵巻物とは「日本の絵画形式の1つで、紙もしくは絹・麻を水平方向につないで、長大な画面を作り、情景や物語などを連続して表現したもの」です。文章と絵が交互に現れる形式の作品です。
絵巻物の魅力はストーリー性があることです。寺社の縁起絵巻であれば、何故この寺社が建てられたのかのエピソードが語られていて、例えば、夢に仏様が現れて、とか、ありがたい仏像が見つかって、みたいな印象的なシーンが描かれています。
絵巻物は博物館の展示物の中でも人気が高いように思います。やっぱり絵があった方が面白いですよね。
絵巻物はさすがに所有しておらず、写真はありません。実はトーハクのお土産ショップに絵巻物の縮小版のレプリカが売られているのですが、気絶するほど高額なので買う気はありません。。

今回は古筆・古文書・絵巻物について簡単にご紹介しました。その魅力が少しでも伝わったなら幸いです。