COLUMN

コラム

進化論

筆者:KKさん(入社3年目)

進化論を語るにさしあたり、重要人物を2名挙げます。
1人目は用不用説を唱えた、ラマルクという人物です。
2人目は自然選択説を唱えた、ダーウィンです。
この用不用説と自然選択説の対比で用いられる有名な例が、「キリンの首はなぜ長いのか?」です。

用不用説を用いると、キリンは高いところの葉を食べるために首を伸ばしていたため次第に首が長くなっていったと説明されます。一方、自然選択説を用いると、生まれた子どもの中でも首の長い個体の方が、高所の葉を食べられたり敵をいち早く見つけられたりする点で優れ、生存率が高かったため、首の長い個体が子孫を多く残し、種全体として首が長くなっていったと説明されます。

用不用説と自然選択説で大きく異なる点が、遺伝子的な観点です。後年に判明することですが、生物の働きを決定する根底はDNA(=遺伝子)であり、DNA⇒RNA⇒タンパク質という流れで表面上の形質が表れます。この1方向に流れる原則をセントラルドグマと呼びます。

用不用説は首を伸ばす動作がDNAへ情報を逆転写することを前提としているのに対して、自然選択説はセントラルドグマに従った内容となっています。結論としては自然選択説が正しかったことがわかります。

では、ラマルクの研究は無駄だったのか?と問われると、答えはNoとなります。進化的計算という、新幹線の先頭車両の形状決定や投資ファンドのポートフォリオ構築などに用いられている計算手法があり、そこで用不用説の考え方が利用されているのです。

ここから私が得た教訓は、努力は思わぬ形で報われることがあるということです。勉強中、これはいつ使うことになるのだろうとふと物思いに耽るときもありますが、何かしらの役に立つと思って頑張ろうと思いました。