おすすめの本:神田松之丞 講談入門
第23回目のおすすめの本を紹介していただくのはエンジニアのNTさんです(入社4年目)
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私が紹介する本は 「神田松之丞 講談入門」(神田松之丞著) です。
2,3年前のお正月にお笑い番組を見ていた時、神田松之丞さんを初めて見て講談の存在を知ったのですが、5分とない時間にも関わらず松之丞さんの話芸に引き込まれ、熱量に圧倒されて講談をもっと知りたいと思い購入しました。
本の紹介の前に、講談とは何だろう?この人は何者なんだろう?という疑問を大半の方が抱くと思いますのでざっと説明します。
What is 講談?
講談とは、”講談師”と呼ばれる人が宮本武蔵や忠臣蔵など歴史上の物語を読む、という伝統芸能です。
落語家と同じ寄席で講談をすることもあるため落語と混同されてしまいがちなのですが、落語は物語の登場人物の会話を落語家が登場人物になりきって話すのに対して、講談は登場人物に加えて物語のナレーションも行います。
また、釈台という机の前に座り張扇(扇子に似たもの)を叩きながらリズムを取って話すのも落語と異なる特徴です。
Who is 神田松之丞?
神田松之丞さんは講談師で、三代目神田松鯉(しょうり)に入門して2012年に二ツ目に昇進、2020年には真打に昇進して六代目神田伯山を襲名しました。現在は松之丞ではなく”伯山”として活動しています。(以降、神田伯山と記載します。)
※講談や落語界ではまず前座として修行を始め、二ツ目に昇進すると一人前として扱われ、二ツ目で培った努力や技術が認められると真打に昇進します。
寄席や講談会だけでなく、TVやラジオにも出演して講談を広める活動をしています
昨年は短い尺ですが大河ドラマにも出演しており、個人的にとても嬉しかったです…!
前置きが長くなってしまいましたが、この本では講談とは何か、講談ではどんな話を扱うのかが書かれています。
最初に講談の基礎について書かれているのですが、文章の羅列ではなくQA形式なのであまり身構えずに講談を学ぶことができます。
また、伯山さんの持ちネタの講談について話のあらすじとネタの見どころを解説してくれるのですが、全部で40弱あるのでなかなか読み応えがあります。笑
ですが、構成は一話ずつの解説の連続なので気になったタイトルの箇所だけ読んだり、どこかで講談を聞いた際、辞書的に読んでみるという感じで活用してもよいかなと思います。
ここに書かれている中で一番興味を持ったのは「中村仲蔵」という話で、歌舞伎役者を目指す若者が花形役者にのしあがり活躍するまでを描いています。
舞台は江戸時代で、当時、歌舞伎役者は名門の血筋でなければトップで活躍することは不可能という世界でした。
その中で主人公の仲蔵は普通の家の出にも関わらず、才覚を認められて花形役者になるというサクセスストーリーにとても惹かれました。
この話は現在伯山さんのYouTubeチャンネルで視聴することができるので、お暇があれば聴いてみてください!
https://www.youtube.com/watch?v=xpV1xIcg9As
歴史が好きな方、普段とは違う世界を体感してみたいという方はこの本を手に取って講談の世界を覗いてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました!