メタバース体験記
第42回目のコラムはエンジニアのEHさんです(入社7年目)
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昨年の12月にVRゴーグルを買ってから、すっかりメタバースの住人になりました。
今回は皆さんにそんなメタバースについて少し知ってもらえればと思います。
メタバースとは何か
メタバースの定義を調べてみると、いろいろな説があると思うが、ここでは次のように定義しようと思う。
VRで利用する
同時接続ユーザーがいる
仮想空間内で自由に行動ができる
今世の中にあるメタバースといわれるものの中にはVRではなくても、たとえばスマホからでもアクセスできるというものもあるが、これは本来のメタバースではないと考えている。VRという体験を通してこそメタバースだといえる。
私はVRゴーグルは以前は以下のものを使っている。
Meta Quest2 約59,000円
https://amzn.to/3SGOFo0
この製品が出るまでは10万円以上するものばかりだったと聞くが、ようやく手が出る価格帯になったようだ。
ちなみに私が買ったときは約37,000円で、円安と物価高で価格改定があったようだ。
そして、このQuest2の特徴として、母艦のPCを必要とせずVRの世界を楽しめるという点がある。
これまではPC上で演算された結果をVRゴーグルに写すという仕組みだったが、Quest2はVRゴーグル内で演算が可能だ。ただし、スペックは落ちてしまうため、機能に制限があったりする。PC+Quest2という利用も可能だ。
PCユーザーでは見れるアバターがQuest2ユーザーは見れないという現象が発生する。ヘビーユーザーは自ずとPC+VRの環境を整えてしまう。
PCも例えば仕事で使ってるようなノートPCではダメで、グラフィックボードを積んだ、処理能力の高いPCが必要となってくる。
これらの機材を揃えると、メタバースへの扉が開けてくるので、興味がある人はぜひご検討いただきたい。
ここまでVRのハード面の話だったが、ハードが揃ったら、メタバースを体験できるサービスへ接続する必要がある。
私が利用しているのは VRChat というサービスだ。
VRChatはアメリカのサービスだが、日本人ユーザーや各国のユーザーも多く、ワールドと呼ばれる仮想空間が多種多様に存在し、日本人向けワールドも多数ある。
日本人は大体21:00~24:00に多いと言われており、日本人向けワールドでいつも賑わっているのは○○横丁という、飲み屋街をイメージした仮想空間が多い。
横丁では店があったりするだけではなく、ビールやグラスのオブジェクトが設置されており、それを実際に持って酒を注いで乾杯して飲むといった動作ができる。
そのような体験も相まってか、いつも誰かがいるワールドになっている。見知らぬ人とも話したりする。そして、日本人が多いので日本語を勉強中の外国人も結構いる。
アバターも多種多様のものが使用できる、というかUnityで自分で作れる。たいていの人はBoothというサイトで購入して利用している人が多いと思う。私もその一人だ。
アバターを実際使えるようにするためにUnityを使う必要があり、非常に難しいのだが、なんとか、ベースのアバターに装飾品を付けるところまでできて、使うことができている。
アバターを使うためにUnityを使う必要があるということからか、日本人VRChatユーザーのUnityが使える率が異常に高いらしい。
あと、VRChatを始めたころにちょっとカルチャーショックだったのは、コミュニケーション方法が音声ということだ。
VRゴーグルをつけてる状態ではキーボードが見えないので、当たり前といえば当たり前なのだが、ネットのコミュニケーションはテキスト、という概念に囚われていたので、驚いた記憶がある。
VRChat以外には国産だとclusterというサービスがあり、こちらはほぼ使ったことが無いが、TV局やデジタル庁などが主催のイベントがやってそうな印象がある。
メタバースで見てきたもの
初心者案内
ボランティアというか趣味で初心者案内をしてくれるユーザーがいる。
VRChatは初心者チュートリアルなどがなく、日本人向け初心者ワールドへ行ったりして操作方法などを覚えるのだが、たまに初心者を見つけると、親切心で初心者案内をしてくれる人がいる。
私も案内してもらったことがあるが、なかなか1人では知らない操作方法を知ったり、面白いワールドへ連れて行ってもらったりと、良い体験をさせてもらった。私のアバターもそのときおすすめされたものをベースに使っている。
弾き語り
横丁系のワールドに金曜夜などに出現する人で、生歌をひたすら歌ってる人がいる。
地味にうまい。
聴衆がいるときもあればいないときもある。いなくても歌ってる。
特にすることもない日などは、リアルで酒を片手にその歌を聴くときもある。(酒はVRゴーグルの隙間から飲む)
FPSゲーム
メタバースではゲームもできる。
ゲームのワールドに入るとゲームの世界になる。
私がやったことあるのは対戦型のFPSゲームで、バトルロイヤルやチーム戦で戦う。
銃の種類がいろいろあって、その特性が違うので、得意な銃を選んで戦う。
普通にVRのFPSというだけで面白いのだが、VRChatで無料で出来るというのがすごい。
金曜日のイベント
毎週金曜日の21:00から1時間だけ人が集まるワールドがある。
そこでは各人のアバターに何かしら金色を纏わせるという暗黙のルールがある。
そのためにはアバターを改変しなければならず、必然的にUnityを使うことになり、参加者のUnityスキルが高い。
そのイベントではUnityに関する話題もよく話されている。
パーティクルライブ
特に感動したのがパーティクルライブといわれるものだ。
これはメタバースというよりVRChatを生かした表現という方が合ってるかもしれない。
ワールド全体を1つのミュージックビデオみたいに見せるものなのだが、その中でもすごいものを紹介してもらった。
基本的には開始位置に立ってスタートボタンを押すと音楽が流れ始めて、それに合わせて映像が動くというものだが、
その映像が動くというのが没入感がすごくて、まさにMVの中に入ってる感覚。カメラワークもスゴイ。
うまく伝えられないのがもどかしい!
広告
最後に、メタバース内で見た広告について思ったことを少し。
まず、企業の広告が入るようなのはバーチャルマーケット(Vket)という大きなイベントに合わせたものがほとんどで、個人製作のワールドに企業の広告が出ている例はほぼ見たことがない。
ちなみに、ワールドはUnityを使って個人でも制作が可能だ。
個人製作のワールドでうまい広告を見たのは、ワールド制作者が自身の広告として出していたのだが、VR対応スペックのPC組みます(売ります)、というものだ。
現状、メタバース内の通貨などが整備されていない中、ワールドを制作してもマネタイズする方法は難しいと考えられる状況で、見事にマネタイズ出来ていてすごいと思った。
最後に
まだまだ伝え足りないですが、最後に本を1冊紹介して終わろうと思います。
メタバースの現状に関してデータをもとに解説していて、とても面白く読めたので、興味のある人はぜひ読んでみてください。
メタバース進化論――仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界
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