おすすめの本:脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方
第9回目のおすすめの本をご紹介していただくのはエンジニアのNYさんです(入社2年目)
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今回オススメする本は、ハーバード大学医学部のジョン・J・レイティ博士の著書『脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方』です。
本書は「なぜ運動が脳に良いのか?」という問いに対して、数々の実験によって証明された科学的根拠が徹底的に解説されており、読めば読むほど運動がしたくなる本です。
具体的には、運動を行うことによって下記のような効果が得られると言います。
* 学習効率を向上させる
* ストレスの悪影響を防ぐ
* 不安を和らげる
* 気分がよくなり、自分を肯定的に捉えられるようになる
* 注意散漫から抜け出す
* 依存症から脱却しやすくなる
* PMSの症状を和らげる
* 老化を防ぐ
ということで、本書の一部を要約して紹介したいと思います。
「ネーパーヴィルの奇跡」
本書の冒頭で、興味深い事例が紹介されています。
それは、アメリカのイリノイ州ネーパーヴィル203学区の生徒1万9千人を対象にした体育プログラムから生まれた「0時限体育」です。
「0時限体育」とは、読んで字のごとく、授業の前に運動を行うというものです。
授業の内容は生徒たちに心拍計を装着してもらい、最大心拍数の80~90%の強度で体操やランニング、ダンスなどの有酸素運動を行ってもらうというもの。
当時アメリカでは学力低下が問題になり、勉強の時間を増やすために体育の授業を減らそうとする流れがありました。
そのような状況下で逆に体育の時間を増やした結果、1999年の国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)において理科が世界1位、数学が世界6位という記録を出したのです。
著者はこのネーパーヴィルの実例に感銘を受け、この本を執筆しようと思い立ったそうです。
・運動が脳に与える影響
運動によって分泌される物質と、それらが脳に与える影響を簡単にまとめます。
・学習効率を向上させる
BDNF(脳由来神経栄養因子)は、脳細胞の増加や成長を促し、記憶力や学習能力を向上させます。
・ストレスや不安の軽減
ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)は、過度の興奮にブレーキをかけ、ストレス反応を抑えます。
GABA(ガンマアミノ酪酸)は、不安を自ら引き起こそうとする脳の働きを食い止めます。
・気分を明るくする
ドーパミンはやる気と集中力を高めます。
エンドルフィンは体の痛みを和らげ、幸福感をもたらします。
・注意散漫から抜け出す
ノルアドレナリンとドーパミンが注意力を高めます。
この他にも様々な効果があることが、これでもかというほど紹介されています。
最後に
運動が苦手、忙しくて運動する時間がないといった悩みを持つ人は多いのではないかと思います。
しかし、本書を読み進めると、勝手に運動がしたくなるはずです。
それに加え、それぞれの効果を得るために実践すべき運動の内容や量などにも言及されているため、どんな運動をすればいいのかと悩む必要もありません。
既に運動の習慣がある人にとっても、本書がモチベーションを保ち続けていくための手助けになると感じました。